2025.08.08

30年の時を経て、シリーズ1作目で映像化が叶わなかった原作小説に登場する“泳ぐTレックス”のシーンが遂に実現!

30年以上という年月を経ても今もなお愛され続けている本シリーズ。その新章にふさわしく、初期シリーズの脚本を手がけたデヴィッド・コープが、28年ぶりにカムバックを果たしました。『ジュラシック・パーク』と『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』で“原点の興奮”を生み出したシリーズヒットの仕掛け人が、再びスティーヴン・スピルバーグとタッグを組むことに。シリーズの原点を知る2人が、本作でどのような新たな物語に挑んだのか──その舞台裏に迫ります。

コープへの打診があったのは、2022年に『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』で2度目の3部作の幕が完結した後のことでした。スティーヴン・スピルバーグが自らコープに電話をかけ、「こういうものをもう一本作らないか」と声をかけたのだといいます。コープは「スティーヴンと一緒に物語を作り上げていくのはもの凄く楽しいです。腕がいいのは当たり前ですが、僕と波長もバッチリ合います」と二つ返事で承諾したことを明かしました。

スピルバーグとコープが物語の構成を始めると、全てのシリーズを通して描かれてきた “生命は必ず道を見つける”というテーマに立ち返りながら、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』以降の世界がどのような状態になっているのかを想像しながら、自由に意見を交わしました。コープは改めてマイケル・クライトンの原作小説を読み返し、著者の科学的根拠などから「人類と恐竜はこのまま長くは共存できないだろう」というリアルな結論に行き着きました。そうした議論を重ねた末に、本作では“恐竜が再び絶滅の危機に瀕している”という物語が生まれ、唯一彼らが生き延びられる場所があるとすれば、それは赤道直下の熱帯地域だという舞台設定が構築されていきました。

そんな背景のもと、熟練の秘密工作員ゾーラ・ベネット(スカーレット・ヨハンソン)が、心臓病に奇跡的な治療効果をもたらす新薬の開発のため、陸・海・空に生息する3大恐竜のDNAを確保するという極秘ミッションに挑みます。彼女が精鋭チームを率いて向かうのは、初代「ジュラシック・パーク」の極秘研究施設が存在した禁断の島。スピルバーグとコープはこれまでの「ジュラシック」シリーズでは描かれなかったアクション・シークエンスを作りたかったことを明かしています。実は、クライトンの原作小説には、コープが脚本を務めた最初の2作でやむなく断念したシーンが存在します。今回、スピルバーグとコープはそれを再現する決意を固めました。それは、登場人物たちの目の前に、狩ったばかりの獲物を食べ終え、浅瀬でまどろむTレックスが現れるという印象的な場面です。「マイケルの原作小説に登場するあの描写が、僕らは昔から大好きでした。当時、最初の映画でも盛り込もうとしていました。ところが、あの頃はCGで再現できるショットの数が限られていたうえに、テンポや予算の兼ね合いで泣く泣く断念せざるを得なかったんです。だから今回こそは、スティーヴンとあのシーンを物語に入れようと早い段階で決めていました。」とコープは振り返りました。

さらに本作では、ゾーラたちのミッションとは別に、もうひとつの軸となる物語が展開されます。海で遭難したデルガド一家が、偶然ゾーラたちと出会い、結果として禁断の島へ足を踏み入れてしまうのです。そして彼らは、まさにそのTレックスと遭遇!なんと“泳ぐTレックス”に命を狙われるという、かつてないスリリングな場面が待ち受けています。そんな緊迫の瞬間を捉えた本編映像もついに解禁。ボートで逃げるデルガド一家に、Tレックスが水面を割って迫り、水中から襲い掛かる衝撃の映像が収められています。
コープは「Tレックスはこのシリーズにおけるスターですからね。せめてチョイ役は必要でしょう。その点、あのシーンならTレックスの見せ場としても十分すぎるほどなんです」と人気恐竜であるTレックスの活躍シーンに自信をのぞかせます。シリーズ初期では叶わなかった名場面が、現代の技術によってついに映像化されたのです。